年代物の車やクラシックカーをレストアするとは、一体、何を意味しているのか?修理とは何が違うのか。
分かるようで分からないレストアの意味を徹底的に追求し、レストアのメリット・デメリット、買取に関することなどを交えて、分かり易くご紹介致します。
車のレストアとは
レストアとは、直訳すると「RESTORE」=回復・復活・復元を意味する言葉です。自動車に限った単語ではなく、経年劣化で壊れたものなどを可能な限り新品の状態に近づける事を言います。
自動車では、旧車やクラシックカー、ビンテージカーなどと言われるジャンルの車種があります。概ね50年余り製造から年月が経っている自動車のことを指します。
当然、自動車は鉄でできているので長い年月が経過することによっての錆びや腐食が進行し、ボディの腐れや内装の劣化、エンジン等の不具合が生じてきます。それを人の手で、レストア=回復・復活・復元するのです。
自動車の部品は、新車販売時から約10年ほどで製造が中止され、その後は受注生産になりますが50年経過した車の部品は入手できないことも少なくありません。
その場合、他車種の部品を流用したり新たに部品を作り出さなければなりません。
ボディに関しても、通常の板金修理では凹みなどを単純にパテを使ってボディに沿って直していきますが、旧車などではそう簡単な作業ではありません。ボディの錆びや腐食からくる痛みは、ボディの大部分を欠損している場合があるからです。
元のボディの形が分からない状態で、元の形に戻さないといけないのです。内装は、特に部品の調達が困難な箇所です。シートなどは、当時の生地で当時の縫製技術で作られています。それらをいかに新車当時の状態にレストアさせるかが重要なポイントです。
機械での作業では不可能なことを、一つ一つ人の手でレストアされた自動車は夢があり、時間を越えて蘇る芸術品とも言えます。
レストアとオーバーホールの違い
レストアとは、回復・復活・復元と説明しましたが、オーバーホールとは現物を「修理」することを言います。オーバーホールは、故障した部品を解体、分解して故障の原因になっている部分を修理交換して元に戻します。
実際は、中古品ですが新品に近い状態での修理になります。ここが大きく違うポイントになります。
レストアは、修理ではなく回復・復活・復元なので極端な表現では、発掘された多数の骨を組み合わせて元の状態に戻す作業になります。
オーバーホールは、修理ですので元々形ある物の中で壊れている部分だけを取り出し、直して元に戻すことになります。
少し難しい話になりましたが、レストアは物を復元してオーバーホールは物を修理するとと解釈したら分かりやすいかもしれません。
レストアのメリット・デメリット
古い車をレストアする上で、メリットになる点やデメリットになる事もあります。
一体どのような事なのかご説明致します。
レストアのメリット
・数十年経過した自動車が、新車の状態に近くなる
・現状では、価値のない物に価値を与える
・再現が困難な物を再現する充実感
・希少性が高くなる
・現在では存在しないはずの物を所有する満足感
レストアのデメリット
・高度な技術が必要なため、レストア可能な人材や会社が少ない
・費用が莫大にかかる可能性がある
・完成までの時間が多大で予想が困難
・希少価値は、一部の人に限られる
・実際に使用する自動車としての機能が劣る
・維持費が普通車と比べ多くかかる
以上が、レストアの代表的なメリットとデメリットになりますが、最大のメリットは「再現が困難な物を再現する」「存在しないはずの物を所有する」ことではないでしょうか。
デメリットでは、やはり費用と時間が際限なくかかる場合がある点だと思います。
ベースになる車両を購入しても、いつまでにどれほど費用がかかるは、予想も困難ですし最悪の場合は完成できないかもしれません。
価値観が違う人には、なんでそんなにお金と時間をかけるのか不思議に思われるでしょう。しかし、そんなリスクを背負ってでもリストアしたいと思うのは夢や時空を越えた魅力に取り憑かれてしまったからではないでしょうか。
レストア車の買取価格は?
レストアした自動車は、希少価値が高くなるので買取価格が高いのが普通です。しかし、物には需要と供給で価値を判断する場合もあります。
例えば、ベースになる車両を300万円で購入してレストアに500万円かかったとしても需要がなければ800万円の価値はありません。マニアの中には、800万円で買いたいと言う人も居るとは思います。
一般の中古車販売店で一ヶ月に販売される普通車が20台程度だとしたらレストア車は何台売れるのでしょうか。一台売れるかどうかといったところです。いつ売れるか分からない、故障のリスクもあるレストア車を800万円も出して在庫するのは非現実的です。
通常の売却方法である買取専門店や自動車販売店での下取りでは決して納得がいく金額の提示は、無いと思ったほうが無難です。
ではどうしたらレストア車を高額で売却できるのか。
中古車販売店の店頭で「ASK」と書かれたプライスボードを見たことはないでしょうか。ASKとは、応談と言う意味で話し合いで金額を決めましょうと言うことです。
先程も説明した通り、レストア車の価値は一部の人だけが持つ価値観です。その価値観が分からない人には、ただの綺麗な古い車に過ぎません。
そのために、「ASK」が店頭で使われるのです。
800万円かかった車を価値のわかる人は、1000万円でも欲しいと思います。
通常の売却方法では、納得の金額で売却することは難しいですが、価値を理解している専門店では希望する売却額に近い金額を提示してもらえると思います。
しかし、さすがに専門店でもレストアの仕方によっては買い取りすら出来ない場合もあります。レストアする予算を削りすぎたり、妥協したレストアの内容だと逆にお金がかかる場合もあるので格段に買取額は下がります。レストア車を高額で買取してもらうには、きちんとしたレストアが前提になります。
昭和46年のニッサン・スカイラインGT-R(ハコスカ)のワンテールのフルレストアだと、1000万円から高いもので2000万円近いプライスが付いているものもあります。
実際にかかった金額だけでなく、レストアした人の想いや夢なども含めた金額がレストア車と言う車の価値ではないでしょうか。
そこでレストアした車を売却する際は、正当に評価される確率を高くするために多くの買取業者が登録している「車の一括査定サイト」を使うのをおすすめします。
その際は、以下のサイトが参考になると思います。
車一括査定おすすめランキング7|車買取査定サイトを徹底紹介
基本的にレストア車は、業者によって価値の見出し方が異なりますので、複数の買取業者に査定してもらうのが良策です。